研究紹介 > 研究成果 > 研究成果 2018年紹介分 > ゾーニングのやり方しだいで森林の各種機能は増進する
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2018年10月5日掲載
論文名 |
Decision Support System for Adaptive Regional-Scale Forest Management by Multiple Decision-Makers. (複数の意思決定者が存在する地域での順応型森林管理に対する意思決定支援システム) |
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著者(所属) |
山田 祐亮 (森林管理研究領域)、山浦 悠一 (森林植生研究領域) |
掲載誌 |
Forests. 8(11) :453、November 2017、DOI:10.3390/f8110453(外部サイトへリンク) |
内容紹介 |
市町村が策定する地域森林管理計画(市町村森林整備計画)では森林のゾーニングが行われます。ゾーニングとは、森林の区画ごとに重視する機能を割り振り、将来像と管理方針を示すものです。ゾーニングにより、森林所有者が施業(主伐や間伐)を行う時期や場所を誘導することで、木材生産を含む森林の様々な機能を地域全体で高めていくことを目指します。 本研究では、ゾーニングが将来の各種森林機能に与える定量的な影響を試算するモデルを構築しました。このモデルは、設定されたゾーニングに対して森林所有者がいつ、どの箇所で施業を行うのかを予測するシミュレーションモデルと、その施業の結果発揮される機能を定量的に評価するモデルを組み合わせたものです。 ケーススタディとして、このモデルを秋田県羽後町の民有林に適用しました。現行のゾーニングのほかに、現在の森林と環境因子の分布から木材生産の優先度を自動的に割り当てた架空のゾーニングを設定し、それぞれから予測される森林の機能を比較しました。その結果、前者よりも後者の方が木材生産や公益的機能を長期的に増進させられることが予測されました。今後は、ケーススタディを積み重ねながら、より実際的に計画策定に寄与するシステムの構築を目指します。
図:構築したモデルの概要 各ゾーニング条件下で施業を行い、将来の森林の状況を計算します。その状況に対して森林の機能評価を行います。 |
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