研究紹介 > 研究成果 > 研究成果 2020年紹介分 > 森林の高さを四季を通じた光学人工衛星画像で高精度に推定できた
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2020年7月17日掲載
論文名 |
Comparison of Multi-temporal PlanetScope Data with Landsat 8 and Sentinel-2 Data for Estimating Airborne LiDAR Derived Canopy Height in Temperate Forests(多時期のPlanetScopeデータとLandsat 8、Sentinel-2データとによる温帯林の林冠高推定の比較) |
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著者(所属) |
志水 克人(森林管理研究領域)、太田 徹志・溝上 展也(九州大学)、齋藤 英樹(森林管理研究領域) |
掲載誌 |
Remote Sensing、12、1876、2020年6月、 DOI:10.3390/rs12111876(外部サイトへリンク) |
内容紹介 |
森林の成長量や被害などの変化は、森林の高さを測り続けることで明らかになります。しかし、広大な森林を人力調査や航空測量で何度も測ることは困難であり、これまで光学人工衛星で取得した画像を工夫して森林の平均的な高さを推定していました。一般に光学人工衛星による推定精度は低いのですが、近年打ち上げられている超小型人工衛星群が高頻度・高解像度で画像を取得できることに着目し、森林の高さの推定精度を高める手法開発に取り組みました。 年間を通じて取得した高頻度画像の色情報と、高精度に計測した樹高の関係を機械学習により解析した結果、森林の高さの推定誤差を減らすことに成功しました。このことは、光学人工衛星では撮影頻度が少ないと晴れて森林が見通せる画像取得が少なくなりますが、高頻度で撮影すれば四季を通じて明瞭な画像が多数取得可能となり、学習に利用できるデータが増えることが原因と考えられます。つまり超小型衛星によって高頻度に取得された画像は森林の高さの推定に有用であり、雲が多く衛星画像が取得しにくい地域でも利用できると考えられました。 本研究では超小型衛星群を利用した森林の高さのモニタリングの基礎的な知見と手法を示しました。今後利用可能なデータが蓄積され、森林の変化の迅速な把握など、効率的な森林管理が可能となります。 (本研究は2020年6月にRemote Sensingで公表されました。)
図1 (a)超小型衛星、(b)既存の衛星(Landsat8)の画像の利用による森林の高さ推定値(3m解像度)。
図2 超小型衛星による画像の利用により、相対的な推定誤差は7%減少しました。 |
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