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やんばるの絶滅危惧種ケナガネズミのロードキル発生地の特徴から対策を考える

2021年4月26日掲載

論文名

Landscape features of endangered Ryukyu long-furred rat (Diplothrix legata) roadkill sites in Yambaru, Okinawa-jima Island. (沖縄島やんばるにおける絶滅危惧種ケナガネズミのロードキル発生地の景観の特徴

著者(所属)

宮本 麻子(生物多様性研究拠点)、玉那覇 彰子(NPO法人どうぶつたちの病院沖縄)、亘 悠哉(野生動物研究領域)

掲載誌

Journal of Forest Research、2021年2月 DOI:10.1080/13416979.2021.1887437(外部サイトへリンク)

内容紹介

日本で一番大型の野ネズミをご存知でしょうか?尻尾も入れて全長60センチにも達するケナガネズミです。本種は、南西諸島の沖縄島、徳之島、奄美大島の3島にのみ生息する絶滅危惧種で、夜行性で主に樹上生活をし、ときどき移動や採餌のために地上に降りて活動します。警戒心がきわめて低くマングースなどの外来種には簡単に捕食され、また、道路では毎年多くのロードキル(交通事故による死亡)が発生しており、本種の保全対策が急務となっています。

本研究では、本種のロードキル情報が蓄積されている沖縄島北部のやんばる国立公園を横断する道路を対象に、ロードキルの発生頻度と周辺の植生・木々の高さ・道路の形状(カーブのきつさ)との関係を解析しました。その結果、道路周辺に本種の生息適地、つまり樹高の高い成熟した森林や種子が餌になるリュウキュウマツが多い場所ほどロードキルが多いことがわかりました。一方、道路の形状は、ロードキルとあまり関係がないことがわかりました。

これらの結果は、ケナガネズミは、見通しがよい道路でさえも車が来ても逃げようとせずひかれてしまうことを示しています。周辺に本種の生息適地が広がる場所では、重点的な注意喚起を行うことで、ドライバーに今以上に細心の注意を払って運転してもらうことが必要です。また、オーバーパスを設置するなど本種の路上に出現させないような新たな取り組みの検討を進めることも重要です。

 

(本研究は、Journal of Forest Researchにおいて2021年2月にオンライン公表されました。)

 

写真:路肩で採食するケナガネズミ

写真:路肩で採食するケナガネズミ。撮影しても逃げようとせず、バリバリと餌を食べ続けた(2015年5月21日撮影 玉那覇)

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【研究推進責任者】
森林総合研究所 研究ディレクター 正木 隆
【研究担当者】
森林総合研究所 生物多様性研究拠点 宮本 麻子
【広報担当者】
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