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2021年5月10日掲載
論文名 |
動画データによる作業道の三次元点群データの構築 |
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著者(所属) |
瀧 誠志郎・中澤 昌彦(林業工学研究領域)・斎藤 仁志(岩手大学農学部)・大野 勝正(アジア航測株式会社)・鈴木 秀典・吉田 智佳史(林業工学研究領域)・千原 敬也(島根県中山間地域研究センター)・図子 光太郎(富山県農林水産総合技術センター森林研究所) |
掲載誌 |
森林利用学会誌、35巻4号、203-208、森林利用学会、2020年10月 DOI:10.18945/jjfes.35.203(外部サイトへリンク) |
内容紹介 |
画像平面に写った対象物を三次元モデル(三次元の点群データ)として再現するには、一般的に多視点から撮影された複数枚の静止画像が必要です。静止画像を撮影する際には、対象物に対して画像の重なりを十分に確保することが必須です。また鮮明な画像を得るために、しっかりと静止して撮影する等、細心の注意と時間を要する作業でした。このため、簡便化した撮影手法の開発が求められていました。 今回、森林作業道を歩きながら撮影した動画から詳細な作業道の三次元モデルを再現することに成功しました。動画は静止画像の集合体(30枚/秒など)であり、撮影した約3分間の動画から1秒間に1枚ずつ合計180枚の静止画像を自動抽出しました。手振れ機構の搭載や大量の画像による高いオーバーラップ率により、これまでのモデル化に必要であった煩雑な前処理が省略でき、作業道を約4712点/m3からなる三次元モデルとして再現できました。またこの三次元モデルにおける座標精度の誤差は高さ方向で平均+4.5cmでした。 この手法は、スマートフォン等のカメラで歩きながら動画を撮影するだけなので、三次元モデルを作成するための撮影手法を大幅に簡便化することができます。またカメラを車両に搭載して走行しながら動画撮影することで、より延長距離の長い作業道にも活用できます。今後の林業において「ICTの全面的活用」を実現する手法の一つとしても有効です。
(本研究は、森林利用学会誌において2020年10月に公表されました。)
図:動画から抽出された画像の推定位置と作成した作業道の三次元点群 |
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