研究紹介 > 研究成果 > 研究成果 2021年紹介分 > 軽量・高強度な合成繊維を用いて架線作業を省力化
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2021年9月6日掲載
論文名 |
合成繊維素材の控索への適用可能性 |
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著者(所属) |
伊藤 崇之(林業工学研究領域) |
掲載誌 |
森林利用学会誌、36巻3号、161-168、森林利用学会、2021年7月 DOI:10.18945/jjfes.36.161(外部サイトへリンク) |
内容紹介 |
架線集材ではワイヤロープを高く張り上げるため、立木を柱としてその上方にワイヤロープを取り付けることが多いですが、その場合、控索(ひかえさく)と呼ばれるロープで立木を固定し、支える必要があります。控索にもワイヤロープを使用しますが、鉄製で重く、立木を固定する作業は木に登って行うこともあって重労働で、災害の危険性も高くなっています。 本研究では、架線集材の一種であるスイングヤーダ集材の先柱注1)固定作業において、鉄と同等以上の引っ張り強さを持ちながら非常に軽量な合成繊維で作られたロープやベルトを控索に用いた場合の効率化・省力化の効果を評価しました。同時に、集材作業中の先柱の揺動を精密に計測することで、合成繊維の控索が先柱を確実に固定できるかどうかについても定量的に評価しました。その結果、合成繊維の控索を用いた場合、ワイヤロープに比べて作業時間が半分程度まで低減され、非常に効率的、省力的であることが分かりました。また、作業中の先柱の揺動は、控索の張力を適切に管理することで角度にして±1度程度と小さい範囲に収めることが可能であることが分かり、先柱を確実に固定して安全に作業ができると考えられました。 本研究により合成繊維導入は省力効果が高く先柱固定機能も十分であることが示されました。これは現場での使用に道を開く成果であると考えます。 注1)先柱:ワイヤロープを取り付ける両端の柱のうち、機械と反対側にある柱のこと。
(本研究は、2021年7月森林利用学会誌において公表されました。)
図1:スイングヤーダ集材の模式図
図2:先柱を固定する合成繊維の控索 |
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