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スギ・ヒノキの枡酒から漂う香りには、安らぎや美味しさ等が感じられる

掲載日:2022年6月24日

日本でなじみ深い枡(ます)酒の香りが人にどのような効果をもたらすのかを探るため、酒を注いだ枡に鼻を近づけて香りを嗅いで、主観的な評価(図1)や生理的な変化(図2)を調べました。

スギやヒノキで作られた枡に日本酒を注いだときに広がる香りは、気分を安らげ、華やかさやおいしさなどを感じさせる効果があることが分かりました。スギ枡に焼酎を、ヒノキ枡に日本酒を注いだ時は人を生理的にリラックスさせることも突き止めました。

このほか、スギの重厚な香り、ヒノキの軽やかな香りに、酒らしい香り、それぞれが交ざり合った成分の組成についても明らかにしました(図3)。

枡は、古くは年貢米などを量る器として使われたほか、酒を酌んだり、節分用の豆を入れたりする器として生き続けている日本の文化です。その素材には、構造用の部材や家具など多くの用途で利用されているスギやヒノキが使われています

(本研究は、2022年3月にWood Science and Technologyにおいて公表されました。)

図1 主観的な評価の結果

図1:主観的な評価の結果
縦軸は、各評価語「気分が安らぐ」「華やかな」「おいしそうな」の得点を示しています。得点が高いほど、香りの印象としてより強いことを表しています。

図2:交感神経活動変化量の結果

図2:交感神経活動変化量の結果
安静時(100%)と比較して香りを嗅いでいるときの変化の程度を示しています。数値が小さいほどリラックスしていることを表しています。

図3:お酒の入った枡から広がる複合的な香り

図3:お酒の入った枡から広がる複合的な香り
お酒を注いだ枡の「飲み口付近」から漂う香り成分の一例を示しています。それぞれ、左側が枡由来のテルペン類、右側が酒由来のエステル類等になります。

  • 論文名
    Combined effects of a wooden sake vessel and alcohol on subjective and physiological relaxation(木製枡とアルコールの組合せによる心理・生理的なリラックス効果)
  • 著者名(所属)
    松原 恵理(複合材料研究領域)、楠本 倫久・橋田 光(森林資源化学研究領域)、森川 岳(構造利用研究領域)、河村 文郎・松井 直之(森林資源化学研究領域)、大平 辰朗(研究ディレクター)
  • 掲載誌
    Wood Science and Technology, 56(3):989-1005、2022年3月 DOI:10.1007/s00226-022-01370-5(外部サイトへリンク)
  • 研究推進責任者
    研究ディレクター 大平 辰朗
  • 研究担当者
    複合材料研究領域 松原 恵理

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