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掲載日:2024年11月19日
高級家具や内装材に広く使われる熱帯産の高木チークの成長を予測する上で、葉のさまざまな特徴のうち葉緑素の量が指標になることがマレーシア植林地での調査で分かりました。葉緑素の量は、人工衛星などによる遠隔探査(リモートセンシング)で広域的に把握できるため、植林地内の成長不良個所の特定やその要因解明への応用が期待されます。
研究グループは半島マレーシアの標高や気象条件など生育環境が異なるチーク植林地4か所で、樹冠上部の葉を採取して葉の重さや面積、光合成に重要な色素と養分である葉緑素と窒素の量それぞれについて、幹の直径や樹高の成長量との関係を分析しました。
その結果、すべての植林地で葉の面積当たりの葉緑素の量と幹直径の成長量に強い相関関係がみられ、葉緑素の量が多いほど幹の成長が良いということがわかりました(図)。その他の葉の特徴と成長量には相関関係がほとんどみられませんでした。
さまざまな植物で葉の特徴から成長を予測する試みが行われていますが、チークではほとんど行われていませんでした。チークは自生地であるインドからインドシナ半島のみならず、南米やアフリカなどでも植栽されますが、その成長は植栽地によって大きく異なることが報告されています。
(本研究は、TROPICSにおいて2024年12月に公開予定ですが、J-Stageにて2024年7月に早期公開されました。)
写真:同じ植栽地内のチークの樹冠上部の葉。
個体間で葉の大きさや色が異なり、緑色が濃いほど葉緑素の量が多い葉です。
図:葉の葉緑素量と幹の成長の関係。
調査を行った4か所すべてでSPAD値と幹の成長に正の相関関係がありました。SPAD値とは光学機器で得られる葉緑素含有量の指数です。図の中の4種類のマーカーはそれぞれ調査を実施した植林地の値を示しています。
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