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更新日:2022年3月10日
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森の中のヒメネズミ
学名:Apodemusargenteus
2020年の干支であるネズミの紹介です。
ヒメネズミは森林に生息する小型のネズミで、日本固有種です。北海道から九州までの広い範囲に分布しています。
大きさは頭胴長が65-100mm、尾長が70-110mmで、同じApodemus属のアカネズミに似ていますが、本種では頭胴長より尾長がやや長いのが特徴です。また、本種は体サイズがアカネズミより小さいですが、アカネズミの幼獣との識別が難しく、正確な識別には頭骨の形状の比較が用いられます。
本種は長い尾でバランスをとりながら、木の枝の上を器用に歩き、樹上でも生活することができます。樹洞や鳥の巣箱に落ち葉を運び込んで巣として利用することもあります。
雑食性で、植物の果実や種子、昆虫などを食べます。写真はアカガシのドングリを運んでいるところですが、本種やアカネズミはドングリがたくさん実る秋に土の中にドングリを蓄えておき、後から食べるという貯食行動を行います。しかし、ネズミがフクロウやイタチなどの天敵に捕食されてしまうこともあり、その場合は、蓄えられたドングリがそのまま土の中で発芽して、稚樹が芽生えます。このようにして、森にすむネズミは森林の更新に役立っていることが明らかになっています。
写真・文:佐藤重穂
2014年11月23日高知県土佐清水市にてセンサーカメラにより撮影
本記事公開日:2020年1月16日
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