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更新日:2022年3月11日
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木の枝の上にとまっているリュウキュウサンショウクイ(左向き)
木の枝の上にとまっているリュウキュウサンショウクイ(右向き)
リュウキュウサンショウクイ(サンショウクイ科)
Pericrocotusdivaricatustegimae
リュウキュウサンショウクイはサンショウクイという種名の鳥類の一亜種です。体長20cm程度の小鳥で、スリムな姿で長い尾が特徴です。頭頂から後頭部にかけて黒く、背面は濃い灰色で、腹部は薄い灰色をしています。
サンショウクイという種には国内に2亜種が生息し、もう一方の亜種サンショウクイは本州から九州に夏鳥として渡来し、冬期は東南アジアに渡って越冬します。リュウキュウサンショウクイは元来、九州南部と南西諸島に留鳥として生息していましたが、1990年代から九州北部や四国へと分布が拡大して、2010年代には本州の関東地方や近畿地方でも見られるようになってきています。
亜種サンショウクイが落葉広葉樹林に生息するのに対して、リュウキュウサンショウクイはおもに常緑広葉樹林に生息します。2020年代の現在では、リュウキュウサンショウクイは四国では平地から山地に留鳥として普通に生息しています。
繁殖期である5月から7月頃に高木の横枝にコケや樹皮などで皿状の巣を作って繁殖して、昆虫やクモなどの節足動物を捕食します。
ヒリリリリ、ヒリリリ、という声で鳴きますが、「山椒は小粒でもぴりりと辛い」ということわざから、山椒を食べてヒリヒリと鳴いている意味で「サンショウクイ」という名になったと言われています。「リュウキュウ」は南西諸島に生息することに由来します。
写真・文:佐藤重穂2021年9月森林総合研究所四国支所(高知県越知町横倉山)にて撮影
Mer.2021.Yokokurazan,OchiTown,Kochi
(photobyS.Sato)
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