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更新日:2013年6月10日

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マツの人工交配を実施


九州育種場が現在進めている事業課題「マツノザイセンチュウ抵抗性品種の開発」では、マツ枯れを引き起こすマツノザイセンチュウに強いクロマツ抵抗性個体をかけ合わせ、よりマツ枯れ被害に強い品種を作り出すために、交配作業を実施しています。

交配の3つの大きな作業を紹介します。

(1)各木の雌花の付いた枝から雄花を取り除き、袋をかけ、花粉が入らないようにします。(4月上旬)

 

20120427交配_袋かけ

植栽してある試験木への袋かけの実施

 

20120427交配_雌花つぼみ 20120427交配_袋かけ後

蟹の爪のように出てきているのが雌花になります。この時期に袋かけをします。

    約500の袋をかけました。  

 

 

(2)交配に用いる花粉を集めるために、雄花を採取します。(4月中旬)

 

20120427交配_雄花採取 20120427交配_採取した雄花 20120427交配_雄花乾燥
雄花をつまんだときに出る汁が黄色から透明になり、乾燥した頃に採取します。

採取した雄花はグラシン紙とネットの二重の袋に入れます。  

部屋に吊して乾燥させると雄花から花粉が出てきます。それを集めて精選します。

 

(3) 花粉銃で、特定の抵抗性クロマツの花粉を吹きつけ、受粉させます。(4月下旬) 



20120427交配_袋なしマツ 20120427交配_赤い雌花 20120427交配_花粉入れ
袋をかけていないマツ 先端の赤いのが雌花です。

袋の中の雌花を目がけて、花粉銃で花粉を入れます。花粉の系統毎に色のテープを付けてどの花粉を入れたか分かるようにします。

   

交配した家系は、翌年の秋に収穫を行い、第二世代の抵抗性クロマツの開発に用います。