知床:オペケプ林道
観測結果
哺乳類の撮影頻度
詳細はopekepu.kmlをダウンロードしてGoogle Earthで御覧ください 調査地の様子がよくわかります(kmlファイルの使い方参照)。

この観測点は知床の観光名所の1つ、オシンコシンの滝の裏手にあります。知床自然遺産地域に隣接する国有林です。

●観測情報
1) 観測は、2008年度の試行を経て、2009年度から開始されました。
2) 2009年、2010年は、一部地点で装置が標準より高く設置されたため、中小型の動物は検知に難があった可能性があります。
3) 2013年09月には、道路工事が行われたため、前回から地点を一つ移動しました。
4) 2014年06月から新機種YoyShotDigital1.0が投入されました。
  2014年には春秋ともフィルムカメラ式YoyShotと併用して比較を行いましたが、結果に大きな差は認められませんでした。
5) 2019年秋には装置不調により、5地点のうち1地点では期間が2週間ずれ、その他の地点でも欠測が大きく出るなどしました。
  さらに、車の通行が頻繁で無用撮影頻度がこれまでになく高くなりました(撮影状況の図、参照)。
6) この観測は、北海道森林管理局知床森林生態系保全センターによって行われています(参照)。
  同じ林道で2003-2004年に森林総合研究所が知床財団と共同で行った調査もあります(参照 )。

●観測結果
1) シカの春の撮影頻度は2015年に最高を記録しましたが、それ以外はほぼ同じ水準で推移、秋の水準は2019年少し高めになりました。
  2003-2004年に行われた調査の結果(参照 )と比較すると、シカの林道通過頻度は半分程度に減っていると考えられます。
  シカの撮影頻度は春と比べて秋の撮影がかなり少なめです。季節移動などの影響が考えられます。
2) ヒグマの撮影数は少ないながらも2010年秋、2012年秋を除いて毎回記録されました。
  ヒグマの撮影頻度は春と比べて秋の撮影がやや少なめです。2015年だけ例外でした。
3) キツネの撮影頻度には年によって大きな変動が見られます。
  2012年春の高い水準は子ギツネの繰り返し出現によるものです。2015年春秋、2017年2018年も比較的高い水準となりましたが、その原因は不明です。
  2019年秋には1地点で夜間、突出して頻繁な往復が3晩に渡って観察され、これが全体の撮影頻度を押し上げた結果となっています。
  2017年春にはジュウジギツネと呼ばれる、毛皮の色に特徴があるキツネが総キツネ撮影数の1割近く(11枚/133枚)に見られました。秋には4枚/78枚でした。
  2016年以前の割合(2枚/738枚)に比べて突出しています。2018年には該当するキツネの姿はなく、2019年には3枚/207枚でした。
4) タヌキの撮影頻度2011、2012年と比べてその後低めで推移しました。
5) 鳥は6種記録されています(キジバト・ヤマシギ・エゾライチョウ・アカハラ・ハシボソガラス・カケス)。

●観測情報(図): 参照
調査期間 撮影頻度 撮影地点分布