ここから本文です。
日当りのよい林縁でコウヤボウキの花が咲いています。キク科コウヤボウキ属の木本で、高さ50-100cmくらいの小低木です。
キクの仲間はほとんどが草であり、木となるのはごくわずかで、国内では小笠原諸島固有のワダンノキと、本州・四国・九州に分布するコウヤボウキおよび近縁のナガバノコウヤボウキの3種のみです。コウヤボウキと同じ属のカシワバハグマやクルマバハグマは草に分類されます。
コウヤボウキの花は、10数個の筒状花が集合したものです。長くまっすぐ突き出て先端が2つに割れているように見えるのが1本の雌しべです。10数個の花があるので、雌しべは全部で10数本です。白色で先がくるっと巻いているのは、それぞれの筒状花において5つに裂けた花冠です。50本以上がくるっと巻いていることになります。
高野山ではこの枝を集めて箒の材料としたことから、コウヤボウキの名がついたと言われています。枝が木化して堅くなっているのでそれが可能ですが、もし草であったなら、茎を集めても箒を作ることは出来なかったでしょう。(よ)
Copyright © Forest Research and Management Organization. All rights reserved.