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ミズキの実がたくさん実っています(左写真)。春には雲がたなびくようにたくさんの花が咲いていました(右写真)。実は鳥に好まれますが、どこまで運ばれるのでしょう?
このミズキの実とあのミズキの実を区別するためには、遺伝子を使って見分けることになります。森林総合研究所のグループが長年森林の変化を調査してきた北茨城の試験地(200mx300mのプロット)で行われた京都大の研究では、100m以上運ばれた種子が3%、距離は不明だがプロットの外から運びこまれた種子が27%あったそうで、鳥があちこちに種子を運んでいる様子がわかります。
ミズキはあちこちに生えている優占樹種ですが、ミズキの結実は頻度の低い樹種の種子散布にも影響しています。同じ試験地の調査で、ミズキが豊作の年は凶作の年に比べて、頻度の低い樹種の種子の分散度が高く、ミズキの木の下に落ちている他の樹種の種子も多かったそうです。
ミズキの豊富な種子が、頻度の低い樹種の実を食べた鳥を誘因して、種子散布のパターンに影響を与えているようです。(よ)Copyright © Forest Research and Management Organization. All rights reserved.