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薄暗いカシの林にチラチラ飛んでいる。木漏れ日の当たる位置では一瞬その姿が見えるが,日陰に入るとすぐにまた見失ってしまう。暗い場所ばかりではなく,切り株から沢山の萌芽が出ているような明るい伐採地にも多く,葉上に翅を半開きにして止まる。
近年は関東以北では増加傾向にあるようだが,東京都や埼玉県などの関東平野では,1960~70年代ごろに一時的にほとんど記録されなくなったことがあった。こうした増減の原因はよくわからない。
越冬の前後には,森林から出て草の花で吸蜜していることも多い。真冬でも暖かい日には,成虫が飛ぶ姿を見ることがある。シジミチョウの幼虫の終齢は4齢であるものが多く本種でもそう考えられていたが,最近5齢が終齢であることが明らかになった。科学園記録種。(た)
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