文字サイズ
縮小
標準
拡大
色合い
標準
1
2
3

森林総研トップ

ここから本文です。

ムラサキシジミ(10月)

ムラサキシジミ薄暗いカシの林にチラチラ飛んでいる。木漏れ日の当たる位置では一瞬その姿が見えるが,日陰に入るとすぐにまた見失ってしまう。暗い場所ばかりではなく,切り株から沢山の萌芽が出ているような明るい伐採地にも多く,葉上に翅を半開きにして止まる。

近年は関東以北では増加傾向にあるようだが,東京都や埼玉県などの関東平野では,1960~70年代ごろに一時的にほとんど記録されなくなったことがあった。こうした増減の原因はよくわからない。

越冬の前後には,森林から出て草の花で吸蜜していることも多い。真冬でも暖かい日には,成虫が飛ぶ姿を見ることがある。シジミチョウの幼虫の終齢は4齢であるものが多く本種でもそう考えられていたが,最近5齢が終齢であることが明らかになった。科学園記録種。(た)

10月の自然探訪一覧へ