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テングチョウ(10月)

テングチョウ和名は、頭部の前方に長く突き出た下唇鬚を天狗の鼻になぞらえたもの。

羽化直後には湿地や崖などに群がるが、2週間ほどでぱったりと姿を消してしまう。盛夏にはほとんど姿を見せないが、晩秋にはまた日当たりの良い林道などでちょくちょく見かけるようになる。

西日本では最近大発生していて、エノキを丸坊主にすることもあるという。関東でも、近年増えつつあるように思われる。6月ごろに羽化した成虫は、夏・秋・冬を越して翌春に産卵する年1化が通常の発生経過だが、本州や九州各地では2化目が出現する場合も知られる。

羽化直後には花にはあまり来ないが、越冬後の春には花を訪れるのを見ることもある。細い枯れ枝やススキの枯れ茎などに好んでとまるという、変わった習性もある。科学園記録種。(た)

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