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ヤクシソウ(キク科オニタビラコ属)は、日当たりのよい山地のやや乾いたところに咲きます。節ごとに少し折れ曲がった茎が特徴的です。オニタビラコの仲間ですが、全体に無毛であることと、花の後で頭花は下向きになる性質を持っています。根生葉は長いさじ形をしていますが、花期にはなくなっています。茎葉は、長楕円形または倒卵形で、浅い鋸歯があり、基部が後方にはりだして茎を抱いています。総苞は黒っぽい緑色をした円筒形です。
薬師堂のそばで見つかったとか、根生葉が薬師如来の光背に似ているとか、薬効があるとか言われていますが、名の由来はよくわかっていません。日本全国、東アジアに分布しています。
総苞(そうほう):キク科の植物は、たくさんの小さな花の集まりです。小さな花が集合したものを頭花と呼んでいます。一つ一つの小さな花には、がくがありますが、がくは種ができる時に冠毛と呼ばれる綿毛に変わっていきます。がくのように見える頭花全体を包んでいるものが総苞です。(か)
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