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冬になると常緑樹林の林床で赤い実が目立つようになります。カラタチバナ(ヤブコウジ科ヤブコウジ属)もその一つです。常緑の小低木で、第1樹木園でも赤い実がたくさんついています。
同属に、ヤブコウジ、マンリョウがあります。正月飾りに使われるので、おめでたい名前が付けられています。マンリョウは万両、ヤブコウジは十両というように、カラタチバナは百両という別名を持っています。センリョウ(千両)は、センリョウ科という別のグループです。
カラタチバナは、葉の長さが8~20cm、幅が1.5cmと細長いのが特徴です。日本にも稀に自生すると言われていますが、ほとんどが栽培です。園内のカラタチバナもおそらく自生種ではないのでしょう。園芸品種の逸出は、生態系に影響を与えるので悩ましい問題でもあります。
遠見通り、見返り通りの常緑樹の林縁では、ヤブコウジやマンリョウを見ることができます。マンリョウの鋸歯は波打っているので見分けることができます。花が少なくなる冬の季節に赤い実を見つけるのも森の楽しみです。(か)
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