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カツラの甘い香り(11月)

カツラ第2樹木園のメタセコイヤを過ぎると,どこからともなく甘い香りが漂ってくるようになりました。正体は黄色く色づいたカツラ(Cercidiphyllum japonicum)の落葉です。カツラ科カツラ属に属する落葉性の高木樹種で、1科1属2種のうちの1種です。北海道から九州までの冷温帯の渓流沿いに広く分布します。

この甘い匂いの主成分はマルトールで,砂糖を含む菓子等の製造過程でも生成される物質です。キャラメルのような匂いと称されるのもうなづけます。「香りが出る=香出(かづ)る」が名前の由来という説もあり,東北などでは,「おこーのき」、「しょーゆのき」、「まっこーのき」などとも呼ばれているそうです。

マルトールはカツラの緑葉には少なく、黄葉、紅葉となるにつれて含量が多くなります。葉が老化段階に入ったり、乾燥したりすると増加するようです。イタリアのウルビーノ大学のグループによる最近の研究によれば,この物質には抗がん作用があることもわかりました。(や)

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