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ケヤキの種子(11月)

ケヤキの種子ケヤキは木目が美しく、狂いが少ないことから、高級な材として家具や建具に利用されてきました。また屋敷林や街路樹としてもおなじみです。大きなケヤキの梢から、数枚の葉が付いた小さな枝がくるくる回転しながら、少し離れた地上に降り立っていく、そんな光景がよく見られる季節です。

落ちて来たものを拾ってみると、左の写真のように5、6枚の葉と小さな種子が付いた小枝で、とても軽いものです。葉と小枝を付けて種子を落としてやることにより、種子がより遠くに飛んで行く効果が生まれています。種子とともに落ちる小枝には冬芽がなく、はじめから秋に落ちることを前提とした、特別な役割を持った枝です。また、右の写真にあるように、このような枝に付く葉は通常の葉に比べてかなり小さな特別な葉です。

ちなみにケヤキ属の近縁の種を見ると、ニレ属では種子に翼があって風で散布され、またムクノキ属やエノキ属では種子の周りに果肉があって鳥などに食べられて運ばれるなど、種子そのものに仕掛けがあります。(写:よ・お、文:よ)

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