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関東地方では夏前の個体数はごく少数で,盛夏から秋に見かける機会が増える。本来は熱帯のチョウで,幼虫が常時越冬できる場所は限られている。寒冷な北関東の内陸では,建物の壁際などの局所的に温度が高くて食草が冬でも枯れないような場所で寒さをしのぐ。
地表付近を低く飛び,花によく集まる。中齢以降の幼虫の頭部には,特徴的な縞模様があり,他種との区別は幼虫でも容易。ススキやチガヤの葉が筒状に巻かれているのを見つけたら,そっと開いてみよう。恥ずかしげに体を引っ込めるセセリの幼虫がみつかるかも。
九州ではブユ(ブヨ)のことをセセリと呼ぶ地方があるらしい。「せせる」は本来,繰り返してつつくことを意味する。でもセセリチョウは人を刺すようなことはない。科学園記録種。(た)
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