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冬の間,昆虫は卵,幼虫,蛹,成虫など種類によって異なるステージで過ごします。蝶の仲間に限っても,越冬のステージはまちまちです。大型のタテハチョウであるオオムラサキとアサギマダラは,どちらも幼虫で越冬します。
冬の間は落葉してしまうエノキの葉を食べるオオムラサキの幼虫(写真左)は,食べることをやめて地上に降り,落ち葉の裏でじっとしています。一方,アサギマダラの幼虫(写真右)は,常緑のキジョランの葉を食べますが,越冬中でも暖かい日には少しずつ食べて大きくなります。葉に丸く傷をつけ,毒の抜けた中央部を食べることは,以前のブログでも紹介しました。同じ幼虫越冬といっても,オオムラサキとアサギマダラは越冬の仕方が異なります。
今の時期,多摩森林科学園の構内でも,よく探すとこれらの幼虫を見つけることが出来ますが,次の点にご注意を!(1)めくった落ち葉は元のように戻してやって下さい。幼虫が裸で見えていると,寒気に直接触れるだけでなく,天敵に見つかって捕食されるかもしれません。(2)キジョランの葉を裏返して見る場合には,葉柄を持ってめくって下さい。無造作に葉に触ると,裏にいる幼虫をつぶしてしまうことがあります。(し)
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