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園内を歩くと,小さな白い虫が雪のようにふんわりと飛んでいました。種名はわかりませんが,白い綿毛をまとったアブラムシです。晩秋~初冬に綿毛をまとって雪のように飛ぶアブラムシは「雪虫」と呼ばれ,初雪が間近いことも表しています。「雪虫」は総称で,種としてはリンゴワタムシ,トドノネオオワタムシなどがあるようです。
綿のように見える白い毛は,実はロウでできています。アブラムシのような吸汁性の昆虫は,植物の汁液から窒素分(アミノ酸)を摂取するので,炭素が過剰になっています。それをただ捨てるのではなく,ロウに作り替える種類もあるのです。雪虫の他,キジラミ,ハゴロモ,カイガラムシなどの中にもロウを作る虫がいます。(し)
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