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園内のツバキの下に、半分になった蕾(写真左)が枝付きで落ちていることがあります。これは、ムササビが食べ残して捨てたものです。
ムササビは植物の葉、芽、花などいろいろな部分を食べますが、冬にはツバキの蕾もよく食べます。枝を折るのではなく、切り離してから食べるので、切り口がきれいな断面を見せています(写真中)。
落ちている蕾は、雄しべなどは半分残っていますが、食べられていない蕾(写真右上)を切って比較してみると、どれも子房(矢印)がありません(写真右下)。ここは将来種子になる部分なので、栄養価が高いに違いありません。全部食べずに捨てていても、肝心の部分は食べていることが判りました。
第2樹木園、上の道の標識柱17~18の間にあるツバキの個体は、とくにムササビに好かれているようで、この樹の下には毎年食痕が落ちています。(し)
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