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園内のベンチで、ルリタテハの成虫が翅を広げています(左写真)。成虫で越冬するので、気温の上昇に伴い飛翔を開始します。花にはあまり訪れず、樹液や腐果によく集まります。濃い青紫色の地に青銅色の帯模様という一見地味な翅ですが、地には光の干渉により発色する構造色の層を含むため、見る角度によって、ぎらぎらとまさに「瑠璃色」の閃光を放ちます。
いっぽう幼虫は,これがルリタテハ?と驚くほど派手です。右写真は5月の終わり頃にサルトリイバラを食べている個体です。グロテスクですが毒はないそうです。学名はKaniska canace。1属1種。ちなみにこの属名Kaniska(カニシカ王)の王国の首都プルシャラ(現パキスタンのペシャワール)は偶然にも,ラピスラズリ(瑠璃)の産地(現アフガニスタンのバダクシャン地方)に近いようです。(や)
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