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彼岸通りなどの斜面の砂地に見られる漏斗状の穴はアリジゴクのトラップ(罠)です。雨で崩れることのないよう少し上が覆いかぶさったところに多く見られます。この罠に脚を滑らして落ちた不運なアリは、脱出しようと必死にもがきます。しかしもがけばもがくほど、斜面の砂粒とともに転げ落ちて行きます。首尾よく漏斗の縁近くまで逃げおおせても、今度は底で大アゴだけ出して待ちかまえるアリジゴクが、この大アゴを使いアリめがけて砂粒をかけます。とうとう下まで転落したアリはこの大アゴの餌食になります。体液を吸われてパサパサになったアリの体は漏斗の外に投げ捨てられます。もちろんまたこの大アゴで。
親はウスバカゲロウ。カゲロウといってもトンボや他のカゲロウのように不完全変態ではなく、蛹というステージを経る完全変態ですから、昆虫の中では甲虫やチョウのように進化したグループです。(や)
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