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桑によく似た葉をつけた枝に、毛むくじゃらの緑のボールがたくさんついています(左写真)。1-2ヶ月くらいこんな感じで、どうなるんだろうと気になっていたら、赤く熟してきました(右写真)。
クワ科コウゾ属のヒメコウゾです。高さは2-5メートルの落葉低木で、本州、四国、九州に分布し、丘陵から低山地の林縁などで見られます。園内にもあちこちに生えています。実態は”半つる性”で、他の木にもたれかかりながら幹をあまり太くせずに上にあがっていきます。
巻きついたりすることはありませんが、もたれかかられた木の成長を邪魔することもあります。葉の形が紛らわしいヤマグワは自立した木になるので、大きくなればヒメコウゾとの違いがはっきりわかります。
和紙の原料となるコウゾは、ヒメコウゾと近縁のカジノキ(コウゾ属)との雑種といわれ、性質もカジノキに近いものからヒメコウゾに近いものがあり、栽培して和紙に用いられるものは性質がカジノキに近いものだそうです。カジノキも古くから和紙の原料として栽培され、こちらは高さ4-10メートルになる落葉高木です。(写:よ、文:よ、S)
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