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この記事は「多摩森林科学園のブログ(2012.8-2019.3)」に2014年6月に掲載されたものです。草本植物の解説板は、その後少しずつ改訂しながら今日にいたっています。
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多摩森林科学園では樹木園を管理するための草刈りを工夫して野草を増やす試みをしていますが、それもすべての草にとってよい、という方法はまだありません。
野草は人間の管理の外で、自分から入り込み、生活をしています。その中にはきれいな花が咲くものもあれば、花が目立たないものもあります。すべての種を紹介することはできませんが、この6月までに80種ほど解説板を設置しました。今後も少しずつ増やしていく予定です。
野草は科学園の中で自由に生きているので、解説板をつけても、次の年も同じようにそこに生えるとは限りません。樹木の下では光条件が場所ごとに違い、光条件に応じて野草も生活場所を移していくので、昨年はたくさんあったものが、今年は別の場所に多くなる、ということが、よく起こります。科学園でも注意して、なくなった場所からは解説板を移すようにしますが、遅れることもあるかもしれません。また、解説板のないところにもたくさんある種類が多くあります。解説板のところで姿を覚えたら、他の場所でも探してみてください。
野草はまた、季節変化をします。春から夏へ、樹木が葉を広げて、その下が日陰になるのに伴って、休眠したり、姿を変える野草はたくさんあります。一方で春に生活を始めて、夏から秋までを旺盛に生育するものもたくさんあります。1年の使い方に、さまざまなバリエーションがあり、季節的に消長があるのも、樹木と大きく違うところです。花が咲いている姿は図鑑に載っていますが、花のないときにどんな姿になっているかを確かめるにも、解説板は役に立つと思います。(も)
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