文字サイズ
縮小
標準
拡大
色合い
標準
1
2
3

森林総研トップ

ここから本文です。

ガビチョウの巣(7月)

ガビチョウ6月の後半頃、柳沢林道のすぐ脇、標識柱85番の近くでガビチョウの巣を見かけました。細い木の枝やつるが絡み合った藪の中に作られています。巣から1mくらいに近づくと親鳥が飛び出しますが、遠くへは行かずに数m先で様子をうかがい、すぐに戻ってきます(左写真は巣にいる成鳥の顔が少し見えているところ)。巣内には青色の卵が4個見られました(右写真)。7月初旬に見ると雛が4羽いましたが、その数日後には巣が空っぽでした。巣立ちしたと考えるには早すぎますので、何かの動物(ヘビ、カラス、アライグマ?)に補食された可能性があると思われます。

ガビチョウは、スズメ目チメドリ科の鳥で、関東では1990年代から広がった外来種です。外来生物法で「特定外来生物」に指定されており、「日本の侵略的外来種ワースト100」にもあげられています。中国南部から東南アジア北部にかけて広く生育し、日本ではペットとして飼われていたものが逃げ出して定着したと考えられています。関東地方では千葉県を除く全都県に移入分布し、丘陵地・平野部の低木林・藪を好んで生育しています。都内では高尾山に多く、園内にも多数生息して繁殖しており、在来種に与える影響が懸念されています。(写:よ、や、文:よ)

7月の自然探訪一覧へ