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クロアゲハ(7月)

クロアゲ本州では尾状突起が長いが、南西諸島などでは短くなり、まれに無尾のものも見られる。南西諸島産は、後翅の赤い紋も大きくなる傾向がある。

都会の公園でも見かける機会が多いし、誰が植えたかわからないような柑橘類の木が住宅地の隅で大きくなっていて、それが発生源になっていることもある。他のアゲハ類と同様に、花を訪れ路上などで吸水するが、真夏のカンカン照りの日中はさすがに暑いらしく、翅をだらんと下げて林内で休んでいる姿を見ることもある。

里では夏型は、翅にべったりと紅いヤマユリの花粉をつけていることもある。そんなクロアゲハを捕らえ、カナブンなどと一緒に「昆虫採集セット」を使って標本にして、夏休みの宿題として提出した覚えのある人もいるだろう。あのセットに入っていた赤と緑の液体の正体は、何だったのだろうか。科学園記録種。(た)

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