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春はツツジ類、夏はユリ類の花を良く訪れる。山頂にやってくることも多い。春型の美しさは格別で、まさに森から生まれた妖精だ。
夏には、カラスアゲハと混じって吸水集団をつくっていることもある。湿地で吸水するチョウは多いが、その性質は羽化したばかりの新鮮な雄に特に強い。吸水の目的は、現在では主にナトリウムや含窒素化合物の摂取にあると考えられている。
ミヤマカラスアゲハは“深山”に行かなければ見られないようなチョウではないが、平地ではまれ。後翅裏面にある黄色の帯はカラスアゲハにはなく、本種の良い特徴であるが、寒冷地の個体や春型では発達するものの、九州などの暖地の個体では消失することもある。カラスアゲハとは前翅裏の白帯の形なども異なるほか、夏型はカラスアゲハよりもやや大型で翅形もやや細長い感じがする。科学園記録種。(た)Copyright © Forest Research and Management Organization. All rights reserved.