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ヤブカンゾウ(7月)

ヤブカンゾウオレンジ色に目立つ花が、園内のあちこちで見られます(左写真)。ワスレグサ科ワスレグサ属のヤブカンゾウです。遠目で見ているときれいなのですが、近くに行ってよく見ると、なんとなく気持ちが落ち着きません。それは、花なら当然あるだろうと思われるものが「無い」からです(右写真)。

ヤブカンゾウの花は、雄しべや雌しべが花弁化してしまっています(花弁化していない雄しべも少しは見られますが)。同じワスレグサ属に分類されるノカンゾウやゼンテイカ(ニッコウキスゲ)の花被片が6個で、それに比べるとヤブカンゾウは八重咲きと言えます。雄しべや雌しべがないことで種子はできず、ランナー(匍匐茎)を出して拡がります。

母種は中国原産のホンカンゾウで、有史以前に中国から帰化したものと考えられています。(よ)

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