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更新日:2020年12月1日

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ウェブセミナー「ポストコロナの社会と森林」(ライブ配信)終了しました

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的な流行を受けて、社会は大きく変わると予想されます。新型コロナウイルス感染症をはじめとする野生動物由来の人獣共通感染症は、森林減少や劣化がその一因と考えられること、森林周辺の住民は新興感染症に対して脆弱であることなどから、既に森林セクターに関連する国際機関は、様々なウェブセミナーを開催し、問題点の抽出や対応策について議論を始めています。
国内では感染者数の増加に伴い、人の移動制限、身体的・精神的健康維持、教育等について問題が顕在化し、対応が模索されるところです。このいわゆる新型コロナ禍が終息するのか、またそれがいつになるのかは予測困難ですが、一方で人獣共通感染症は、引き続き発生すると懸念されています。
本セミナーでは、このような状況下で国内外の森林生態系の役割や林業及び木材産業がどのように変化するのか、またどうあるべきかを考え、議論を深めるために5名の専門家講師をお招きします。
後日、森林総研チャンネルにて当日収録された動画を公開します。

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開催日時

2020年11月27日  (金曜日)13時00分~15時00分

場所

名称 森林総合研究所YouTubeチャンネル(当セミナーは後日録画配信も行います。)
住所 URLは事前登録された方へお知らせします

主催・共催等

主催:国立研究開発法人森林研究・整備機構 森林総合研究所
後援:林野庁、日本森林学会、日本生態学会

内容

【趣旨説明】13時00分
国立研究開発法人森林研究・整備機構 理事長 浅野透

【セッション1:ポストコロナにかかわる社会の変化】13時10分
1)「SDGsとポストコロナの社会」慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科 蟹江憲史 教授
【ミニ討論】13時25分

【セッション2:森林、林業にかかわる社会の変化】13時35分
2)「社会の変化と森林とのかかわり」京都大学こころの未来研究センター 広井良典 教授
3)「森林・林業への影響とこれからの課題」東京農工大学 土屋俊幸 名誉教授

【セッション3:新興人獣共通感染症リスクを減らす】14時05分
4)「森林減少、劣化と新興人獣共通感染症」森林総合研究所生物多様性研究拠点長 岡部貴美子
5)「新興・再興人獣共通感染症と関連する国際的なフレームワーク、森林とのかかわり」森林総合研究所国際連携・気候変動研究拠点主任研究員 森田香菜子

【総合討論】14時35分
【閉会】15時00分

その他

講演概要
1)「SDGsとポストコロナの社会」慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科 蟹江憲史 教授
SDGsの採択から5年が経過し、目標達成期限の2030年までの期間のうち3分の1が経過した。一方、今年は新型コロナウイルス感染症の世界的な大流行により、想像を超える大きな変化に直面している。このような変化のモメンタムをサスティナブルな方向に導くことで、持続可能な社会の実現を加速することが期待できる。本講演ではSDGsの視点からポストコロナの社会における変化や課題を示し、必要なアクションを模索する。
2)「社会の変化と森林とのかかわり」京都大学こころの未来研究センター 広井良典 教授
新型コロナのパンデミックが勃発した際、私自身が驚いたことがある。それは、そこで示された状況や課題が、私たちの研究グループが2017年に公表した、日本社会の未来に関するAIを活用したシミュレーションの内容と重なるものだったからである。その要点は、日本社会の持続可能性にとって「都市集中型」か「地方分散型」かという分岐がもっとも本質的であるという点であり、人口減少社会との関連や「ローカライゼーションと伝統文化(鎮守の森)」といった視点を含め、ポストコロナ社会のあり方と森林について考えてみたい。
3)「森林・林業への影響とこれからの課題」東京農工大学 土屋俊幸 名誉教授
林政審議会では、国の森林・林業基本計画の5年に一度の変更について、現在、鋭意検討中です。検討に当たっては、コロナ禍が森林の管理、林業生産、様々な森林の利用にどのような影響を与え、それらにどのように対応して行くかについての検討も課題の一つです。今回の報告では、審議会で示されたコロナ禍の森林・林業への影響について概略を説明し、また事前に公募及び依頼して提出いただいた国民および森林・林業関連団体・企業からのご意見を紹介すると共に、より広く、また将来に向けた森林・林業政策の課題について私見を述べたいと思います。
4)「森林減少、劣化と新興人獣共通感染症」森林総合研究所生物多様性研究拠点長 岡部貴美子
コロナ禍によって、野生動物由来の人獣共通感染症のリスクが多くの人に認識されるようになった。人類と感染症の戦いには長い歴史があるが、その中でもHIV感染症、エボラ出血熱などに代表される新興人獣共通感染症は、生物多様性が豊かな森林の減少や分断化による森林劣化が主要因の一つと考えられている。本講演では関連する研究成果を紹介し、感染症リスクの低減のためにどのような森林研究へのアプローチが必要かを議論する。
5)「新興・再興人獣共通感染症と関連する国際的なフレームワーク、森林とのかかわり」森林総合研究所国際連携・気候変動研究拠点主任研究員 森田香菜子
新興・再興人獣共通感染症の問題に対処する代表的なアプローチである「ワンヘルス・アプローチ(人間、動物、環境の衛生に関わる様々なステークホルダーが連携して取り組むアプローチ)」を中心とした既存の人獣共通感染症に関わる国際的なフレームワーク、そしてCOVID-19発生後の人獣共通感染症抑制に関わる議論について発表する。その中で、人獣共通感染症の発生原因として大きく影響している森林を含む生態系の管理の問題との関わりについても紹介する。

お問い合わせ

森林総合研究所生物多様性研究拠点
Email:covid-forest@ml.affrc.go.jp