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熱帯の荒廃土壌の窒素濃度を高めるアカシアマンギウム 

 2010年8月16日掲載

論文名 Nutrient dynamics through fine litterfall in three plantations in Sabah, Malaysia, in relation to nutrient supply to surface soil (マレーシアサバ州の3種の人工林における、表層土壌への条文供給機能から見たリターフォールの養分動態)
著者(所属)

稲垣昌宏・三浦覚(森林立地環境領域)、加茂皓一(林業科学技術振興所)、Jupiri Titin, Lenim Jamalung, Jaffirin Lapongan (サバ州森林研究センター)

掲載誌

Nutrient Cycling in Agroecosystems (農地生態系の養分循環)、2010年4月にOnline First版に掲載

doi: 10.1007/s10705-010-9364-6(外部サイトへリンク) 

内容紹介 熱帯地域の造林に広く利用されているマメ科早生樹のアカシアマンギウムは、窒素固定菌を共生しているために荒廃した熱帯土壌を改善するといわれています。そこで、実際の林においてどれだけ効果があるかを実証するため、アカシアマンギウム林で落葉落枝から供給される養分量と、土壌中の養分との関係を詳しく検討しました。マレーシア・サバ州のアカシアマンギウム人工林(21年生)において、リターフォール(落葉・落枝)によって土壌に供給される窒素量を調べたところ、1年間1ヘクタールあたり窒素供給量は207~223kgと、供給量が世界最大といわれる熱帯多雨天然林と同等かそれ以上に大きいことが分かりました。また、林床の落葉層や土壌の窒素含量も他の樹種の林に比べて高いことから、アカシアマンギウムが土壌中の窒素濃度を高める効果が確認されました。以上より、アカシアマンギウムの植林は荒廃地化した場所で土壌が改善し、回復が遅れている熱帯林の再生に役立つものと期待されます。

 

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