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森の中に降る雨の風景をコンピュータグラフィックスで再現する

2016年8月17日掲載

論文名

A phenomenological modelfor throughfall rendering in real-time.(リアルタイムな林内雨レンダリングのための現象論的モデル)

著者(所属)

Yoann Weber ・Vincent Jolivet ・Guillaume Gilet (リモージュ大学)、南光 一樹 (森林防災研究領域)、DjamchidGhazanfarpour (リモージュ大学)

掲載誌

Computer Graphics Forum、35(4):13-23、July 2016、DOI:10.1111/cgf.12945(外部サイトへリンク)

内容紹介

森林に降った雨は葉や枝というフィルターを通過して地表に到達します。この過程で、枝や葉に乗っかった雨粒はやがて集まって結合し、林外では降らないような大きな雨粒を作ります。自然風景をリアルに再現するための映像技術の発展が目覚ましいですが、このような森林内で特有の林内雨が降っている風景をコンピュータグラフィックス(CG)として再現しようとする試みがあります。

雨の風景は多数の雨滴によって出来上がりますが、それら全て雨滴の動きを物理的に詳細に計算すると時間がかかりすぎるため映像作成が難しくなります。本研究では、実際に野外や室内で測定した雨滴データを活用することで、林内で雨滴が生み出される場所、頻度、雨滴の大きさを簡易に推定できるようにし、林内雨風景の再現にかかる時間を大幅に減らすことに成功しました。

この成果を活用することで、最先端の映像技術に林内雨を組み込むことが初めて現実的になり、葉で集合し大きくなった水滴が滴下する様子などを、より自然に表現することができるようになります。今後、CGで再現された林内雨を目にすることが増えてくることが期待されます。

 

CGで再現した林内雨の風景

(写真:CGで再現した林内雨の風景)

 

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