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シカが多いナラ枯れ跡地では樹種構成は単純になる

2017年1月19日掲載

論文名

Changes in understoryspecies occurrence of a secondary broadleaved forest after mass mortality ofoak trees under deer foraging pressure (シカ採食圧下における、ナラ枯れ後の広葉樹二次林での下層種出現の変化)

著者(所属)

伊東 宏樹(北海道支所)

掲載誌

PeerJ、4:e2816、December2016、DOI:10.7717/peerj.2816(外部サイトへリンク)

内容紹介

カシノナガキクイムシが媒介する菌類によってナラなどの木が枯れるナラ類集団枯損(以下、「ナラ枯れ」)は、一時よりも被害が減少したとはいえ、一部では拡大を続けており、依然として終息していません。また、ニホンジカ(以下、「シカ」)の採食による森林への影響が深刻になっています。このため、両者の被害を同時に受けた森林が、これからどのような森林になるのかについて明らかにする必要があります。

今回、両者の被害を受けた京都市内の森林を調査し、被害を受ける前後で、森林の下層を構成する樹種がどのように変化したのかを、統計モデルを使って解析しました。その結果、ナラ枯れのために上層木が欠けた部分(ギャップ)では、明るい環境を好む樹種の定着確率が高いことがわかりました。さらにシカの採食の影響により、そのなかでもよく成長していたのは、クロバイと、外来種のナンキンハゼという、ともにシカがあまり好まない樹種でした。したがって、このままの状態が続けば、ギャップの樹種構成はきわめて単純になってしまう可能性が高いと考えられました。

多様性の高い森林に再生させるためには、シカ柵の設置などシカ対策が不可欠です。また、外来種であるナンキンハゼが定着する場合には駆除も考慮する必要があると考えられます。

 

写真:ナラ枯れ跡で生育しているナンキンハゼ

写真:ナラ枯れ跡で生育しているナンキンハゼ

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