研究紹介 > 研究成果 > 研究成果 2017年紹介分 > 樹幹流が集中する樹幹直下で土壌中の放射性セシウム濃度と蓄積は高くなる
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2017年7月18日掲載
論文名 |
Stemflow-induced spatial heterogeneity of radiocesium concentrations and stocks in the soil of a broadleaved deciduous forest. (樹幹流によって形成される落葉広葉樹林の土壌における放射性セシウムの濃度と蓄積量の空間分布) |
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著者(所属) |
今村 直広(立地環境研究領域非常勤職員)、Delphis F. Levia (University of Delaware)、鳥山 淳平(九州支所)、小林 政広(立地環境研究領域)、南光 一樹(森林防災研究領域) |
掲載誌 |
Science of the Total Environment、599-600:1013-1021、December 2017、DOI: 10.1016/j.scitotenv.2017.05.017(外部サイトへリンク) |
内容紹介 |
福島原発事故により大量に放出された放射性物質が広く森林を汚染しました。なかでも半減期の長い放射性セシウムが森林内に留まっていることが問題となっています。さまざまな対策のためには、放射性セシウムの存在量を正確に把握することが求められますが、空間的なバラツキが大きく、その要因を明らかにする必要があります。 土壌中の放射性セシウム濃度の空間分布と樹幹流の流入経路を調べた結果、樹幹流が流れ込む場所で(写真)、土壌中の放射性セシウムの濃度と蓄積量は高いことがわかりました(図)。また、樹冠投影面積が大きい個体ほど、放射性セシウムを樹幹直下に多く集めていることがわかりました。 この結果は、樹木が大気中から降下してきた放射性セシウムを枝葉や幹でとらえ、樹幹の直下に集めていることを示しています。このように、樹幹流による放射性セシウムの輸送過程を明らかにすることで、森林内の放射性セシウム分布を正確に把握することが可能となり、土壌と樹木の間での放射性セシウムの動きの解析に役立つと期待されます。 写真:染色実験による樹幹流の流入経路の把握 |
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