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無花粉スギ苗の効率的な大量増殖方法を開発しました

2020年12月21日掲載

論文名

Somatic Embryogenesis and Plant Regeneration from Sugi (Japanese Cedar, Cryptomeria japonica D. Don, Cupressaceae) Seed Families by Marker Assisted Selection for the Male Sterility Allele ms1(雄性不稔アレルms1のマーカー選抜による無花粉スギ家系からの不定胚形成と植物体再生)

著者(所属)

丸山 E. 毅(企画部)、上野 真義(樹木分子遺伝研究領域)、平山 聡子(新潟県新潟地域振局)、金枝 拓実(新潟大学)、 森口 喜成(新潟大学)

掲載誌

Plants 2020, 9, 1029, August 2020 DOI:10.3390/plants9081029(外部サイトへリンク)

内容紹介

わが国の人工林面積の44%を占めるスギは、林業上最も重要な樹種です。一方、日本におけるスギ花粉症患者は3000万人を超え、深刻な社会問題となっています。その対策として、無花粉スギ(雄性不稔スギ)を用いた造林が急務となっています。今後、各地で造林への供給に向けて、成長や材質の優れた無花粉品種の開発が必要ですが、交配による作出した苗の無花粉性の検定には雄花の開花を誘導し無花粉個体を判別しているため、長い時間と労力がかかります。

そこで我々は、無花粉に特異的な遺伝配列を目印にして無花粉性を判別する技術と、組織培養における不定胚(注)を経由する増殖法を組み合わせた無花粉スギクローン苗の大量増殖方法の開発に取り組みました。その結果、無花粉性を判別して、効率的に植物体を再生するための培養条件を明らかにしました。この方法(図1)では、再生される全ての個体が無花粉となります。今回の技術開発により、地域の環境やニーズに応じて、様々な系統の無花粉スギ苗を効率的に作り出すことが可能になると考えます。

(注)不定胚:組織培養において、カルスから誘導される組織。種子胚と同じように根や葉が分化する能力を有する。

 

(本研究は2020年8月 Plants に公表されました。)

 

図1 遺伝配列に基づく無花粉性の選抜他

図1 遺伝配列に基づく無花粉性の選抜と不定胚形成培養技術を組み合わせた無花粉スギクローン苗の大量増殖方法。不定胚を形成する細胞の誘導(A)と増殖(B)、遺伝配列に基づく無花粉系統の選抜(C)、選抜された無花粉系統細胞からの不定胚の誘導(D)と植物体の再生(E)、無花粉スギ苗の順化(F)。

お問い合わせ先

【研究推進責任者】
森林総合研究所 研究ディレクター 山中 高史
【研究担当者】
森林総合研究所 企画部 丸山 毅
【広報担当者】
森林総合研究所 広報普及科広報係
【取材等のお問い合わせ】
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