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更新日:2021年3月10日
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講師:日経BP社/日経BP総研フェロー 麓 幸子(ふもと さちこ)氏
農研機構主催のダイバーシティ推進セミナーに参加してきましたので報告させていただきます。森林機構からの参加者は、田中浩理事、筆者(高山)、ダイバーシティ推進室の菅原久美子さんの3名でした。森林総研以外では、つくば市から1名の参加があったようですが、ほとんどは農研機構の役職員の方々の参加のようでした。(一番前の来賓席に座ることになったため)写真は撮れませんでしたが、会場となった農研機構第一研究本館 大会議室に準備された座席はほぼ埋まっており、関心の高さを伺い知ることができました。
今回のセミナーのポイントは、以下の5点です。
この話で記憶に残っているのは、組織は「働きやすさ」だけを高めていってもダメという点でした。ある程度の「働きやすさ」は必要なのですが、そればかりになると、「ぶら下がり職員」を生みだす原因にもなりかねないとのこと。「働きやすさ」に加えて「働きがい」を得られる組織を目指していくことが必要ということのようです。なるほど。
つぎに、ダイバーシティ推進の効果について主に語られました。組織内におけるダイバーシティ推進のメリットとして、働く人の多様性が増すことによって様々なニーズに対応した商品が開発できるといったメリットがあることなどが指摘されるのですが、これは「プロダクト・イノベーション」というそうです。でもこれは結構有名ですね。実は私も知っていました。一方、もうひとつのイノベーションとして、気が付かなかった課題が可視化され、プロセスが改良される「プロセス・イノベーション」があるそうです。たとえば、工場のラインに女性が入ることによって、それまでの工具の置き棚の位置を50cm以上低くしたところ、女性だけでなく男性の作業効率も向上したそうです。このように、異なる視点が集まることによって、これまで気が付かなかった問題が発見され、改善につながるそうなのですが、これなどは私たちの職場でも何かと応用できそうですね。
個人的に一番関心があり、聞き耳を立てていたのがこのテーマでした。
に分け、それぞれについての解説がありました。
などが挙げられました。
などが紹介されました。
国内外のダイバーシティ先進企業が行っている取り組みについての事例的紹介でした。中でも驚きだったのが、「あの」日立製作所の事例です。一度総合電機メーカーとして大赤字を出し、危機に見舞われた日立ですが、現在では、社会イノベーション事業に大きく舵を取るとともに、多様な人材が活躍できるダイバーシティ推進と働き方改革を進めているということでした。また、実際に業績に反映されるなどその成果も上がっているそうです。ここのところの世の中のダイバーシティ推進の流れには凄いものがありますね。
麓先生が最後に「人材が活躍する組織3つのポイント」をまとめて下さいました。以下の3つが揃っている組織は男女に関わらず、役職員が生き生きとしており生産性も高いとのことです。特に気になったのは、(1)。(1)は日本の企業の多くで形骸化していることが多く、トップから新入社員まで共有されていることが大切とのこと。この辺り、意外に盲点かもしれません。
(1)ミッションを明確にすること
(2) 一人ひとりを尊重すること
(3) ワークライフバランスを整えること
余談ですが、麓先生の弟さんが農研機構で働いていらっしゃるとのことでした。また、過去に林野庁の有識者委員を担当されていたそうで、なにかと農林関係に縁の深い方とお見受けしました。折角ですのでまたの機会を設けて、じっくりとお話を伺えればと考えています。
ダイバーシティ推進室 髙山 範理(たかやま のりまさ):記
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