このページに登場する昆虫
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ツガカレハ
Dendrolimus superans(BUTLER)
英名 Hemlock caterpillar
- 分類 鱗翅目 カレハガ科 LASIOCAMPIDAE
- 体長 老熟幼虫:70~80mm 成虫:開張50~80mm
- 加害樹種 トドマツ,その他のモミ類,カラマツ,マツ類,エゾマツ,アカエゾマツ,その他のマツ類
- 被害 幼虫が針葉の特に旧葉を食害する。被害がひどい場合には,エゾマツ,トドマツで枯死した例がある。被害が目立ち始めるのは6月頃からである。道東の北見地方でほぼ10年の周期で大発生をしている。
- 生活史 基本的には年1世代であるが,1世代に2年を要するものもいる。幼虫で越冬。越冬後の幼虫は4月中旬頃樹上にのぼり食害する。6月頃にしっかりとした繭をつくりその中で蛹化する。蛹期間は20~30日で,7月~8月に成虫となる。成虫は羽化後すぐに卵を産む。産卵数は200個ぐらいだが,20~30個ずつ針葉上にうみわけられるようである。ふ化した幼虫は,針葉を食ベ,10月上旬頃から地上に降り,落葉や土の中で越冬する。
- 近似種 次項のマツカレハがある。幼虫,成虫ともによく似た個体がおり,単純に区別することは危険である。
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ツガカレハの終齢幼虫 |
ツガカレハの雌成虫 |
トドマツの葉に産まれた
ツガカレハの卵 |
マツカレハ
Dendrolimus spectabilis(BUTLER)
英名 Pine caterpillar
- 分類 鱗翅目 カレハガ科 LASIOCAMPIDAE
- 体長 老熟幼虫:70~80mm 成虫:開張60~70mm
- 被害 針葉を食害する。ひどい場合には枯死することもある。道内における発生はそう多くなく,庭園のマツ等にしばしぱ発生がみられる。
- 生活史 ほぼ1年1世代であるが,本州では年2世代という記録もある。また,2年1世代になったりする。幼虫で越冬。越冬は地表の落葉の中や樹皮のわれ目などにもぐりこんで過す。4月下旬,幼虫は樹幹を登って針葉を食害し6月中旬に繭をつくって蛹化する。7~8月に羽化し交尾後,雌は針葉に卵を産む。産卵数は200個ぐらいで,針葉にまとめて産む。ふ化した幼虫は,若齢の頃は群をなして行動するが,齢が進むとばらばらに行動するようになる。ふ化直後の若齢幼虫はマツ針葉の片面だけを食害するので,卵の周辺の針葉が集中的に黄変する。10月に越冬に入る。
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マツカレハの終齢幼虫 |
マツカレハの繭 |
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マツカレハの雌成虫 |
マツカレハの卵と
1齢幼虫による食害痕 |
オビカレハ
別名 ウメケムシ
Malacosoma neustria testacea(MOTSCHULSKY)
英名 Tent caterpillar
- 分類 鱗翅目 カレハガ科 LASI0CAMPIDAE
- 体長 老熟幼虫:約60mm 成虫:開張30~50mm
- 加害樹種 サクラ,ウメ,リンゴ,バラ,ヤナギ類,ミズナラ,クリ
- 被害 幼虫が集団で葉を食害する。庭園木や市街地の並木にしぱしば発生する。これによって木が枯死することはまれであるが,果実の収量等に与える影響は少なくない。
- 生活史 年1世代。卵で越冬。5月の上旬ふ化する。ふ化した幼虫は群をなして移動し,互いに糸をだして枝が又になったところに巣をつくる。このため天幕毛虫ともよばれる。昼間はこの巣の上や中で過ごし,夜になると移動して近くの葉を食害する。脱皮もこの上で行う。終齢になると分散し,7月上旬に黄い粉をまぷした繭をつくり,蛹となる。成虫は7月中・下旬に羽化し,食樹の細い枝にリング状に卵をうみつける。卵はそのまま越冬する。
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オビカレハの幼虫 |
オビカレハの雌成虫 |
オビカレハの卵塊 |
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