平成15年度開始 交付金プロジェクト研究課題 事前評価結果

わが国の森林・林業政策の適切な展開のためには世界及びわが国の森林・林業・林産業の現状と動向を的確に把握した上で、各種の政策オプションが及ぼす影響を予め推測することが必要であり、それは森林・林業基本法に謳われている施策の総合的、計画的な実施と政策効果の定期的な検証にも資することができる。

このため、世界およびわが国の森林資源や林産物貿易等に関する長期推計のさらなる精緻化に向けた既存モデルの改良・構築、森林資源の変動予測、林業労働力の需給見通し手法の開発等、資源的および社会経済的な側面から森林・林業の将来を予測する手法の開発を行う。

既存の世界の森林資源・林産物市場モデルの改良により、世界の森林資源及び国内外の林産物市場、貿易に関する長期推計の精緻化が可能となる。また、さまざまな水準の伐採・造林保育活動による森林資源の変動推計が可能となるとともに、多様で健全な森林の育成・整備方策を検討するための林業労働力の需給見通し手法が開発される。

永田 信（東京大学大学院農学生命科学研究科教授）

本プロジェクトは、平成14年度まで実施された研究を発展させたものであり、そこでの研究成果及び従来の知見を更に進め、グローバルモデルと国内に関わる森林・林業研究を結びつけるもので、グローバルモデルにとっても国内研究にとっても画期的な成果が期待できる。個別の小課題に関しては、独立して評価しても興味深いものがあるが、それらを連携することにより、一層の進展が期待できる。

特になし。