更新日:2020年4月1日

ここから本文です。

SDGs時代の森林研究を考える

写真:浅野理事長兼森林総合研究所長持続可能な社会を実現し、その流れに誰一人取り残さないというSDGs(持続的な開発目標)が地球全体の目標になっています。当然、目標15の「陸の豊かさ」は森林総合研究所の重要な目標ですが、森林のもつ多面的機能(生態系サービス)を考えると、これだけではなく、水、エネルギー、健康などなど、たくさんの目標に森林がかかわっていることがわかります。つまり、森林総合研究所は持続可能な社会の実現にむけた森林・林業・林産研究を総合的に行っていると言えます。

現代の私たちは、化石燃料や鉱物など、非再生可能で枯渇性の資源に大きく頼った生活をしていますが、森林の資源や機能は再生可能です。ただし、扱いを間違うと枯渇します。そういう意味では、森林をはじめとする自然資本が持続可能な社会の実現に果たす役割は今以上に大きく評価されるようになると思います。SDGsの目標年とされる2030年、あるいは二酸化炭素排出量実質ゼロを目標とする2050年に、森林研究はどのような貢献ができるのか、どんな研究が望まれているのかもっと積極的に考えたいと思っています。

森林総合研究所は、これまで110年以上の歴史の中で、森林、林業、木材産業、林木育種にわたる森林に関係する学際的な研究を行ってきましたし、ある意味では、近年強く求められている、ステークホルダーを交えた超学際的(トランスディシプリナリー)な研究のさきがけも行ってきたと思います。未来をにらんで、さらに多様なステークホルダー(国際機関、行政関係者、産業界、教育機関、森林の所有者、生態系サービスの受益者、将来世代)と協働・共創のできる研究所を目指したいと思います。皆様との様々な形での協働、ご協力、ご鞭撻を賜ることができれば幸いです

 

国立研究開発法人森林研究・整備機構 理事長
森林総合研究所 所長 浅野(中静) 透