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木質バイオマスの大規模利用技術の開発(木質バイオエタノール製造技術実証)
2008-2009年度 林野庁森林資源活用型ニュービジネス創造対策事業
2010-2012年度 林野庁森林整備効率化支援機械開発事業
大原誠資(研究コーディネーター 木質バイオマス利用担当)
我が国では利用されずに山に残されている林地残材が毎年約800万トン(400万炭素トン)発生すると試算されているが、これらはエネルギーや化学原料に変換できる持続的な再生可能資源である。これを活用する技術の開発で、停滞する山村経済の活性化が期待される。
国内に最も多く存在するスギを原料として、これまで当所で研究開発を進めてきたアルカリ蒸解前処理と酵素糖化・発酵技術およびリグニンの化学・微生物変換技術を用いてパイロットプラント規模でバイオエタノールを生産し、その技術が有効であることを実証する。
(1) 小型連続蒸解技術の針葉樹対応
(2) 糖化技術の効率化
(3) 発酵技術の効率化
(4) 蒸解リグニンの分離とマテリアル変換
(5) マテリアルバランス、エネルギー収支、エタノール製造ランニングコストの試算
(1) スギ材1トン(乾燥)から約220リットルのエタノールを製造可能とした。
(2) 低コストで糖化酵素をオンサイト生産する技術を開発し、エタノール製造ランニングコストを98円/リットルまで引き下げた。
(3) 原料処理能力250トン/日の工場を想定した場合、蒸解排液(黒液)から熱回収することでバイオエタノール製造に必要な全エネルギーを賄うことができ、さらに25%が余剰となった。よって、この余剰分を熱回収せずマテリアル原料として利用することが可能である。
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