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ツキノワグマの出没メカニズムの解明と出没予測手法の開発

1. 課題の名称

ツキノワグマの出没メカニズムの解明と出没予測手法の開発

2. 研究期間

2006~2010年度

3. 責任者

大井徹(野生動物研究領域・鳥獣生態研究室長)

4. 研究の背景

ツキノワグマは地域的に絶滅のおそれが高い森林動物であるが、時おり起こる里への大量出没のたびに、人身被害が頻発し、対処として大量捕獲が行われてきた。そのような背景のもと、個体群保全に配慮した被害防止対策が求められている。

5. 研究の目的

ツキノワグマ大量出没に対して早期に警戒態勢がとれるように、ツキノワグマの出没メカニズムを解明した上で、大量出没年や出没地域を予測する技術を開発する。

6. 研究計画

  • (1) 野生グマにGPSを装着し、食物資源変動が行動域などクマの行動にどのように影響するか明らかにする。
  • (2) 出没捕獲個体等から出没個体の生理・生態学的特性を明らかにする。
  • (3) 食物資源の年変動の特性と出没の対応関係を明らかにする。
  • (4) クマの目撃・被害情報と地形、植生等の地理情報から、出没を助長している景観要素を明らかにする。

7. 研究成果

  • (1) クマは食物を求めて行動圏を低標高へと大きく広げるために、出没に至ることを明らかにした。
  • (2) クマは、人里で放置されている食物に誘い込まれ、管理不足で藪の茂った河川敷等から人里に侵入することを明らかにした。
  • (3) ブナなどクマの主要食物の豊凶予測方法を開発し、それを基にクマ出没を予測するためのマニュアルを刊行した。
  • 成果の詳細については、成果集「ツキノワグマ大量出没の原因を探り、出没を予測する」をご覧ください。
  • クマの出没予測手法については、「ツキノワグマ出没予測マニュアル」をご覧ください。