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スギなどの単木の地上部バイオマスを計算する簡便で、汎用性の高い推定式を開発

 2010年6月10日掲載

論文名 Aboveground biomass equations for individual trees of Cryptomeria japonica, Chamaecyparis obtusa and Larix kaempferi in Japan(日本におけるスギ、ヒノキおよびカラマツ単木の地上部バイオマス推定式)
著者(所属) 細田 和男・家原 敏郎(森林管理研究領域)
掲載誌

Journal of Forest Research(日本森林学会英文誌、日本) 15巻5号、299-306 、2010年10月

doi:10.1007/s10310-010-0192-y(外部サイトへリンク)

内容紹介  地球温暖化問題やバイオマスエネルギーへの関心を背景として、これまでのように森林資源を材積(幹の体積)として評価するだけでなく、枝や葉あるいは根も含めた樹木全体の乾燥重量(バイオマス)として評価する必要性が高まっています。従来、林分のバイオマスを推定するには、あらかじめ林分内の一部のサンプル樹木を伐倒して、幹・枝・葉の部位別に重量を測り、胸高直径と枝重量との関係などを表す関係式を作成し、1本1本のバイオマスを計算していました。しかし、伐倒調査は大変な労力と時間がかかります。この研究では、各地で収集した1,000本余りの伐倒調査データの解析を基に、樹高と胸高直径から単木のバイオマスを計算する全国共通で利用できる推定式を作成しました。樹種別(スギ・ヒノキ・カラマツ)および部位別(幹・枝・葉)に用意された、これら汎用型の推定式を使うことにより、伐倒調査を行わなくても、通常の立木調査だけで、樹木1本1本のバイオマスが簡便に推定できるようになりました。また、今回開発された推定式は、既存のバイオマス推定式とは異なり、樹木が大きくなれば枝葉も増えるという単純な関係だけでなく、ひょろ長い立木は枝葉が少なく、ずんぐりした形状の立木は枝葉が多いということも表現できるという特長があります。

 

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