研究紹介 > 研究成果 > 研究最前線 2011年紹介分 > 広葉樹林が周囲に多いと、ニホンミツバチの訪花回数が増加する
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2011年11月4日掲載
論文名 | Plantation vs. natural forest: Matrix quality determines pollinator abundance in crop fields.(人工林vs.天然林:周辺の森林の質が畑における花粉媒介者の個体数を決める) |
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著者(所属) |
滝 久智(森林総研 森林昆虫研究領域)、山浦 悠一(北海道大学)、岡部 貴美子(森林総研 森林昆虫研究領域)、前藤 薫(神戸大学) |
掲載誌 |
Scientific Reports (サイエンティフィック・レポーツ)(発行元:ネイチャー・パブリッシング・グループ)、発行日:2011年10月18日 |
内容紹介 |
森林は豊かな生物多様性をささえ、それが人間の生活にプラスの働き(生態系サービス)をもたらすことがあります。昆虫などによる作物の花粉媒介は最も重要な生態系サービスの一つです。しかし、どのような森林タイプでもその効果は同じでしょうか。この疑問に答えるため、針葉樹林(スギ・ヒノキ林)や広葉樹林など様々な森林タイプが周囲に存在するソバ畑で、主要な花粉媒介者のニホンミツバチが、ソバの花に訪れる頻度を調査しました。ニホンミツバチは森林を主な生息場所とすることが知られています。調査の結果、ソバ畑周囲に存在するスギなどの針葉樹人工林の面積は訪花するニホンミツバチの個体数にほとんど影響を与えない一方、餌や巣場所をより多く供給すると思われる、広葉樹天然林の面積が畑の周囲に増えるほど、飛来するハチの数は増えることが明らかになりました。里山など畑の周囲に広葉樹林があるのは、その生態系サービスを活用する点から意義があります。 |
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