研究紹介 > 研究成果 > 研究最前線 2014年紹介分 > 熱帯アカシア林へのリン施肥は温室効果ガスの発生を抑える
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2014年6月16日掲載
論文名 |
Soil greenhouse gas fluxes and C stocks as affected by phosphorus addition in a newly established Acacia mangium plantation in Indonesia(インドネシアのアカシアマンギウム新植林地へのリン添加が土壌からの温室効果ガスのフラックスと炭素蓄積に及ぼす影響) |
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著者(所属) |
森 大喜・太田 誠一(京都大学)、石塚 成宏(立地環境研究領域)、根田 遼太(京都大学)、Agus Wicaksono ・ Joko Heriyanto(MHP社)、鱧谷 友樹・河原 由香里・川端 ちあき・桑島 圭・中山 裕貴(京都大学)、Arisman Hardjono(MHP社) |
掲載誌 |
Forest Ecology and Management, 310, 643-651, 2013年12月, DOI:10.1016/j.foreco.2013.08.010(外部サイトへリンク) |
内容紹介 |
アジアでは、早生樹造林としてマメ科のアカシアが大面積植林されています。近年の研究によって、これらアカシア植林地の地表面から、温室効果ガスの一つである一酸化二窒素(N2O)が二次林等に比べて多く発生していることが明らかになってきました。アカシアはやせた土地でも根粒菌の力を借りて非常に早く成長できるため、植林樹種としては優秀であり、発生するN2Oをより少なくする技術が求められていました。 このたび、インドネシア・スマトラ島のアカシア林において、リンを施肥することによってN2Oの生成を約3割減らし、アカシアの成長量も約5割増加することを明らかにしました。本研究は、リン施肥が温室効果ガスである大気中の二酸化炭素をより多く除去し、かつ温室効果ガスであるN2Oの発生をも抑制するということを示した世界初の知見であり、アカシア林へのリン施肥が理想的な温暖化緩和手法であることを意味しています。 |
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