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2021年1月27日掲載
論文名 |
Plant indicator species for the conservation of priority forest in an insular forestry area, Yambaru, Okinawa Island. (沖縄県やんばるで優先的に保全すべき森を指標する植物種) |
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著者(所属) |
安部 哲人(九州支所)、工藤 孝美(沖縄県在住)、齋藤 和彦(関西支所)、高嶋 敦史(琉球大学)、宮本 麻子(生物多様性研究拠点) |
掲載誌 |
Journal of Forest Research、26(2)、April 2021、Published online: 11 Jan 2021 DOI:10.1080/13416979.2020.1858535(外部サイトへリンク) |
内容紹介 |
世界的に森林の生物多様性の保全策の確立が急務とされる中、精度の高い指標種の開発が求められています。沖縄県やんばるの森は2016年に国立公園となり、世界自然遺産への登録を視野に保護区が設定されています。しかし、指定以外の地域にも絶滅危惧種が生息する森林があることから、そのような森林を早急に発見する必要があります。 そこで本研究では、やんばるの森で保全すべき森林を指標する植物種を明らかにするため、さまざまな植物種の量と3つの基準(着生植物種数、絶滅危惧植物種数、林齢)との関係を調べました。その結果、3つの基準が高レベルであることを示す指標種の候補として11種が挙げられました。その中でもイスノキは樹皮が特徴的で野外で簡単に識別できることから、最も有力な指標種と見なすことができました。さらに、伐採後の再生能力が低く材密度の高い樹種が多い森林では絶滅危惧植物の種数が多く、成長速度が遅く材密度が高い樹種が多い森林では着生植物種数が多いことも本研究で明らかになりましたが、イスノキはこれらの樹種特性をすべて備えていました。 以上の結果は、やんばるの森で保全すべき森林を容易に発見するために、イスノキの大径木が有力な指標になることを示唆しており、新たな保護区の候補地を探索するための有効なツールになります。 注)材密度(木材の硬さの指標)
(本研究は2021年1月にJournal of Forest Researchにおいてオンライン公表されました。)
写真:イスノキ(左)とスダジイ(右)の樹皮の違い |
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