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農地から森林に転換すると土壌の炭素蓄積量は増加する

2021年6月14日掲載

論文名

Soil carbon stock changes due to afforestation in Japan by the paired sampling method on an equivalent mass basis.(ペアサンプリングと質量均等法を用いた日本の森林への土地利用変化における土壌炭素蓄積量の変化について)

著者(所属)

石塚 成宏・橋本 昌司・金子 真司・鶴田 健二・木田 仁廣・相澤 州平(立地環境研究領域)、橋本 徹・伊藤 江利子・梅村 光俊(北海道支所)、篠宮 佳樹・森下 智陽・野口 享太郎・小野 賢二(東北支所)、岡本 透・溝口 岳男・鳥居 厚志(関西支所)、酒井 寿夫・稲垣 善之・志知 幸治(四国支所)、鳥山 淳平・酒井 佳美・稲垣 昌宏(九州支所)、白戸 康人・小原 洋・神山 和則・高田 裕介・片柳 薫子・神田 隆志・井上 美那・草場 敬(農研機構)

掲載誌

Biogeochemistry、153、263-281、2021年3月 DOI:10.1007/s10533-021-00786-8(外部サイトへリンク)

内容紹介

国連気候変動枠組条約の国家インベントリ報告では、土地利用が変化した場合に土壌中の炭素量の変化を報告する必要があります。農地から森林への土地利用変化時の土壌炭素量変化は、深さ30cmまでの炭素量のそれぞれの全国平均値を比較して計算していますが、森林の土壌炭素量は農地よりも小さく、この計算方法だと農地から森林になった場合に土壌炭素量は減少することになります。農地は重機等の使用によって圧密を受けているため深さ30cmまでの土壌重量は一般的に農地の方が森林よりも多く、深さ30cmまでの全国平均の比較結果を土地利用変化時の炭素量変化に適用する方法には限界があり、同じ土壌重量に含まれる炭素量の変化で評価する必要があると考えられます。そこで、農地と農地に隣接し過去に森林に転換された場所をペアとして選定し、同じ土壌重量に含まれる土壌炭素量を比較しました。

転換からの経過年数の異なる22組のペアで同じ土壌重量に含まれる土壌炭素量を比較したところ、森林になってから20年を経過すると、森林の方が農地よりも大きくなること、経過年数が長いほど森林の方がより大きくなることがわかりました(図)。今回得られた結果を国家インベントリ報告に反映することにより、農地から森林への転換による炭素量の変化を正しく評価することが可能になり、国家インベントリ報告の信頼性の向上に寄与できます。

(本研究は、2021年3月にBiogeochemistryで公表されました。)

 

図:農地が森林に変化してからの経過時間と土壌炭素量の比の関係
図:農地が森林に変化してからの経過時間と土壌炭素量の比の関係。比が1の時、農地と森林の炭素量が同じになり、1より大きいと森林の炭素量の方が大きくなる。

森林になってからしばらくの間土壌炭素量は減少するが、20年を経過した頃より森林の土壌炭素量が農地よりも多くなる。 

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森林総合研究所 研究ディレクター 平田 泰雅
【研究担当者】
森林総合研究所 立地環境研究領域 石塚 成宏
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