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日本全国にわたる森林の降水量・水流出量データベースの成果を紹介

2021年10月18日掲載

論文名

Long-term precipitation and stream discharge records at seven forested experimental watersheds along a latitudinal transect in Japan: Jozankei, Kamabuchi, Takaragawa, Tsukuba, Tatsunokuchi-yama, Kahoku and Sarukawa(日本の緯度方向に沿った7つの森林試験流域における長期的な降水量と水流出量の記録:定山渓、釜淵、宝川、筑波、竜の口山、鹿北、去川)

著者(所属)

清水 貴範(森林防災研究領域)、玉井 幸治(研究ディレクター)、細田 育広・野口 正二(関西支所)、小南 祐志(森林防災研究領域)、阿部 俊夫(東北支所)、北村 兼三・黒川 潮(九州支所)、Delphis F. Levia(米国デラウェア大学)、久保田 多余子(森林防災研究領域)、壁谷 直記(九州支所)、飯田 真一(森林防災研究領域)、延廣 竜彦(東北支所)、澤野 真治(北海道支所)、岩上 翔(森林防災研究領域)、清水 晃(九州支所)、坪山 良夫(研究担当理事)

掲載誌

Hydrological Processes、John Wiley & Sons、2021年10月8日オンライン公開 DOI:10.1002/hyp.14376(外部サイトへリンク)

内容紹介

近年、国内外で豪雨による洪水氾濫が大きな問題となっています。河川の上流には森林が広がっていることから、気候環境の変動や樹木の伐採による森林の変化が、水流出に及ぼす影響を正しく知ることは重要です。そのためには、数十年にも及ぶような長い間、高い精度で取り続けた観測データが必要になります。

森林総合研究所が継続的に観測している日本の7つの森林流域の日降水量と水流出量のデータベース「FWDB」による成果を国際誌にて世界に発信しました。このうち3つの流域では、1930年代に観測を開始しています。7つの流域は北海道(冷温帯)から九州南部(暖温帯)まで北緯31~44度の範囲にあり、各地点の平均的な年降水量は約1200~3000mmと大きな違いがあります。

この記事では、最長で73年間にわたる長期の観測結果とともに、皆伐、間伐、森林火災などによる植生の変化も、分かりやすく示しました。また、このデータセットを用いて比較解析を行ったところ、温帯の森林での年間の水損失量(降水量と河川流量の差:森林からの蒸発散量に相当)は、観測地の緯度の値に逆比例する傾向があることが分かりました。

「FWDB」は、一つの機関が収集しているものとしては、観測期間およびカバーする地域とも、世界的にみて稀有なデータベースです。このデータベースと世界各地の森林流域のデータと組み合わせて研究することで、「水」を通じて様々な森林生態系に対する気候変動やその他のストレス要因の影響を包括的に把握できるようになります。

(本研究は、2021年10月にHydrological Processesにおいてオンライン公開されました。)

 

図:森林総合研究所によって観測が行われている試験地

図:森林総合研究所によって降水量・水流出量の観測が行われている7か所の試験地(写真はデータベースのホームページより)

お問い合わせ先

【研究推進責任者】
森林総合研究所 研究ディレクター 玉井 幸治
【研究担当者】
森林総合研究所 森林防災研究領域 清水 貴範
【広報担当者】
森林総合研究所 広報普及科広報係
【取材等のお問い合わせ】
相談窓口(Q&A)E-mail:QandA@ffpri.affrc.go.jp
電話番号:029-829-8377(受付時間:平日9時30分~12時、13時~16時30分)

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所属課室:企画部広報普及科

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