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掲載日:2022年5月23日
高等学校で林産加工に関する専門教育は、農業高校(森林・林業関連学科)と、工業高校(工芸・インテリア科、建築科)で行われています(図)。近年、循環資源の意義から木材に関する内容が増えていることから、今後、農業高校と工業高校が連携を図って、生産から利用までの一貫した教育ができれば、SDGsの理解につながる循環資源としての木材の学習となることが期待されます。
森林・林業の発展には人材の育成が重要であり、専門教育の関心が高まっていることから、高等学校での林産加工に関する専門教育について、教育内容の変遷と現状を分析しました。資源の生産を学ぶ農業高校での教育と、製品製作の技術を学ぶ工業高校での教育は、教科の違いから、これまで教育内容は比較されていませんでした。
農業高校では木材や林産物の生産と一次加工、工業高校では木材の工芸(家具製作)や木造建築を学ぶ一方で、両者には木材加工の共通項目がみられました。近年では、農業で六次産業化が重視され、工業での教育内容にも木材の多様な利用が加わるなど、教育内容が近くなっており、木材の生産から利用をつないだ教育の可能性は高いといえます(写真)。
(本研究は、2022年2月に日本森林学会誌において公表されました。)
図:高等学校の林産加工に関する教育内容(農業高校、工業高校)
農業高校(森林・林業関連学科)の科目「林産物利用」では、木材の性質や木材加工を学びます。工業高校では、工芸科(インテリア科)で家具などの生産を学び、建築科で木造建築の構造や建築方法を学びます。
写真:農業高校(森林・林業関連学科)の授業で制作する作品例。学校の演習林で育てた木材を製材して木製品を作るプロセスを学ぶ農業高校もあります。
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